マンション管理・運営コンサルタントの彩の国マンション管理センター(埼玉県さいたま市)

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事例⑤  建物劣化診断

事例⑤の建物劣化診断では、この診断を以下のように位置付けています。

  • 「本調査診断は、大規模修繕工事の準備のために行うことを目的としています。」
  • 「本調査診断における劣化状況の判断によっては、追加の調査として二次的な診断を提案させて頂く場合があります。」

建物劣化診断は、内容によっては、高額な費用がかかります。
その為、目的を明確にし、後々に調査が重複しないようにすることも必要です。

事例⑥  一般財団法人 彩の国マンション管理センター建物診断

一般財団法人 彩の国マンション管理センターでは、埼玉の団地にて次のような建物劣化診断を行いました。

Ⅰ. ○○○団地の将来を考える
1.建替え並びに改修工事に関する再検証
2.建物劣化度現状調査
3.アンケートによる専有部分の現状及び居住者意識調査
4.マンションでの2つの高齢化
Ⅱ. 建物劣化度調査詳細
1.概要
2.機器による調査
3.目視・打診調査
4.総合判定
Ⅰ. ○○○団地の将来を考える
1.建替え並びに改修工事に関する再検証

過去の当マンションの建て替え並び改修工事の検討に関する資料を再検証。

2.建物劣化度現状調査(共用部分)

(コンクリート中性化試験/外壁塗膜付着力試験)
建物の長寿命化を図るうえで必要となる現状の劣化状況の確認を行うために、コンクリートの中性化の進行状況並びに既存の外壁塗膜の付着力の試験を実施しました。
その結果、コンクリートの劣化の程度を示す中性化の進行状況に特に問題はなかったものの外壁の一部において、現状の塗膜の付着力が基準値を下回っている箇所を確認しました。
上記の外壁塗膜の付着力が低い箇所は、8号棟・9号棟の外壁の一部です。次回の大規模修繕工事にて、その部分の対処が必要となりますが、すぐに何らかの処置をしなければならないという程度ではありません。

コンクリート中性化試験
sm02-30

マンションの鉄筋は、アルカリ性のコンクリートにより腐食から守られていますが、コンクリートのアルカリ性は空気中の炭酸ガスと反応して、徐々に失われていきます。
コンクリート中性化試験では、コンクリートがどこまで中性化しているかを測定することにより、建物の耐久性を判断する資料とします。

sm02-31

【調査方法】
1.コンクリート躯体にドリルで穴を開け、コアサンプルを摘出する。
(直径35mm、長さ30~50mm)
2.抜いたコアサンプルの表面のコンクリート粉末を刷毛で除去する。
3.サンプルの表面に試薬(フェノールフタレン液)を噴霧する。
4.コンクリート表面から赤着色部までの平均距離を求める。

基準値とは
建物の竣工年数におけるコンクリートの中性化がどこまで進むか(中性化深度)を示す理論上の数値です。

外壁塗膜付着力試験
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既存塗膜と躯体部分との付着力等を確認し、付着力が低い箇所については、次回の大規模修繕工事の際には、剥離する必要が出てきます。
そのように次回の大規模修繕工事における塗装工事の仕様の検討資料とすることを主な目的とします。

sm

【調査方法】
1.アタッチメントに接着剤を塗布し、試験箇所に設置する。
2.接着剤が乾燥した時点で、接着剤のはみ出し部分を除去する。
3.アタッチメントと引張試験機を接合する。
4.引張力をかけ、接着強度を求める。

サッシ経年劣化

一般的にサッシは経年劣化により、先ずは戸車に不具合が出ます。
既にサッシの部材の欠損や戸車の作動不良が発生しており、既に戸車を交換した住戸もあります。戸車については、現場調査の際、一部の住戸でサッシを外し、交換部品を確認しております。
サッシについては、戸車などの部品の補修の他、サッシの障子、レール部分等の経年劣化や断熱性の向上の観点からカバー工法によるサッシ交換も検討する時期に来ています。
また、建物全体的な断熱性の向上として、外断熱工法による改修工事がありますが、その際には、サッシの交換工事を合わせて行うようになります。
その為、サッシの交換工事については、今後どのような工事を行うのか、エコポイントなどの補助金を活用できないか、そういったことも検討する必要があります。

【専有部分】 サッシ改修工事例
sm02-35

【既存サッシ】
サッシに下記のような不具合が発生しています。
・一部の部材の欠損
・戸車の作動不良
・結露発生

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【サッシカバー工法】
サッシの内側をカバーするように枠を作り、それに新しいサッシの障子を入れます。サッシの交換により、以下のような改善が図れます。
・作動性の改善
・断熱性の向上

事例⑥の団地では、数年前から建て替えを検討されていましたが、諸々の事情により、その計画の進展が難しい状況でした。
団地の将来を考えることを目的に、建物全体の劣化診断を行い、その結果を住民説明会にて居住者の皆さまにご説明しました。
建替えは現状では難しくとも、それは将来の重要な課題とし、建物を長く維持する観点から調査結果をもとに長期修繕計画の見直しを行いました。
建物の調査は、目的を明確にし、その結果を管理組合の運営に反映させることが重要です。

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