セミナー・相談会

セミナー・相談会レポート

2017/5/27(土)開催セミナーレポート

マンションの資産価値を守るための『長期修繕計画』とは

開催日
開催場所

最近、マンションの長期修繕計画ついて、多くの管理組合からご相談があります。 今回のセミナーでは、その中でも特に問題となる「機械式駐車場」と「専有部分の設備配管」を中心に、どのように長期修繕計画を立案し、修繕工事を行っていくか考えてみました。


現在の長期修繕計画では修繕積立金が足らなくなり、修繕積立金が値上げされる。

管理組合の皆様から長期修繕計画に関するご相談を多くいただく背景には、現在の計画では修繕積立金が足らなくなり、修繕積立金の値上げを余儀なくされるという状況があります。
建物の劣化が進み、大規模修繕工事をせざるを得ない状況で、多額の修繕積立金の不足が発生し、借り入れにより、不足金を補填することがあります。
そのような場合、過去の工事の実施状況や長期修繕計画の立案に問題があり、今後さらに修繕積立金の不足が危惧されます。

長期修繕計画で機械式駐車場を考える際のポイント

機械式駐車場のあるマンションについては一般的に30年目以降、その改修工事として装置入替が計画されます。計画上の工事費としては、1パレット1,500,000円程と多額な費用となり、修繕計画に大きな影響を及ぼします。

マンションの機械式駐車場については、「車を使う人が減った」「車が機械式駐車場に入らない」等の理由により、空きが出ているマンションも多くなっています。それも踏まえた計画の立案が必要です。



機械式駐車場は、保守契約を行うことが前提となっているため、何らかの不具合が発生し、補修工事を行わなければならない際に、保守点検会社(管理会社)から提出された見積に対し、コスト削減の為の工事費の比較検討が難しいのが現状です。

機械式駐車場の「空き」に対し、今後、駐車場の使用が増えることを期待できないと判断し、コストがかかる既存の機械式駐車場を撤去したうえ、平置きの駐車場に変更する例も増えてきています。


給排水設備の工事をいつ、どのように行うか。

量水器周辺の腐食例としては電気温水器のオーバーフローと原因としたホッパーの腐食が挙げられます。
また、流し台下の排水点検口が付いているマンションでは異変があった際に点検口を開けて内視鏡調査を行うことができるメリットがあります。

長期修繕計画を考えるうえで、給水管並びに排水管の工事をいつ、どのように行うかは大きなポイントとなります。給水管がライニング鋼管などの場合、一般的には35年目から40年目頃には、更新工事を行います。

長期修繕計画では、共用部の計画であることを理由に専有部分の配管工事を除外するものが多いようです。そのことについて、計画に含む範囲及び各戸の負担について、管理組合内のコンセンサスを得る必要があります。

修繕積立金の値上げに頼らないマンションの修繕計画とするには

築年数の経過とともに建物が劣化することは避けられませんが、多額な工事費により、修繕積立金が不足し、大幅な値上げを余儀なくされ、修繕積立金が高くなることは、マンションの資産価値を低下させます。
国土交通省では、長期修繕計画の作成について、そのガイドラインにて以下のように定めています。

ガイドラインの目的
このガイドラインは、マンションにおける長期修繕計画の作成又は見直し及び修繕積立金の額の設定に関して、基本的な考え方等と長期修繕計画標準様式を使用しての作成方法を示すことにより、適切な内容の長期修繕計画の作成及びこれに基づいた修繕積立金の額の設定を促し、マンションの計画修繕工事の適時適切かつ円滑な実施を図ることを目的としています。

適切な修繕を計画的に行うことは、マンションの資産価値を維持することに繋がります。長期修繕計画は、修繕積立金設定の基準のみならず、マンションのビジョンを示すものと考えます。


国土交通省の長期修繕計画標準書式では、大規模修繕工事の修繕周期は12年ごとになっています。
それを基に各マンションの長期修繕計画が作成され、修繕積立金が積算されます。
長期修繕計画はあくまで、計画の目安であり、その通りに工事を行うと決めるものではありません。
この計画にある大規模修繕工事を12年ごとに、鉄部塗装を4年ごとに行なうようなマンションはまずありません。


実際には、1回目の大規模修繕工事を13年目以降、2回目の大規模修繕工事を30年目以降に行っているマンションも多くあります。
大規模修繕工事では、次の大規模修繕工事までの期間をいかに長く伸ばすか、または先々の工事をいかに軽減するか、しっかりと検討する必要があります。そのような検討が修繕積立金の値上げ幅を低くします。


大規模修繕工事の他、日常修繕工事においても数社からも見積もりを取り、比較検討することにより、工事金額が適正に下がり、より良い提案を期待することもできます。
修繕積立金を適正な金額で維持するためには、比較検討は必要な作業であると考えます。

マンションの修繕計画は、築年数によっては、そのマンションに何年住むことができるのか、建替えやその他の選択も視野に入れる必要が出てきます。
修繕計画はマンションのビジョンを示すものです。しっかりとしたビジョンのあるマンションは不動産としての流通性がある資産価値の高いマンションとなります。
マンションの長期修繕計画はどのようにあるべきか、日々考え、検討しています。

最新のセミナー・相談会レポート