マンション管理・運営コンサルタントの彩の国マンション管理センター(埼玉県さいたま市)

セミナー・相談会レポート

2016/12/3(土)開催セミナーレポート

なぜ?なに?どうして?マンション維持管理きほんの「き」

なぜ?なに?どうして?マンション維持管理きほんの「き」
開催日
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2016年を締めくくるセミナーは、当センターにも問い合わせが多い給排水設備と長期修繕計画をテーマにしました。 どちらもマンションを維持・管理していく上で大きなウェイトを占めるもの。 「給排水設備工事の予定が迫っている・・」「長期修繕計画の見直し、早くやらないと・・」そんな管理組合30名さまにお集まりいただきました。

設備から見る賢い修繕計画の進め方

先日、給水設備の改修工事を実施したいと相談を受け現地に行ってみると、ここ最近で受水槽やポンプを更新した形跡がある物件に遭遇しました。 これでは、水槽をなくして水道局から管を通じて送られてくる水を直接各戸で受水する「増圧直結給水方式」をはじめとした、近年一般的になりつつある方式を採用することができなくなってしまいます。

なぜか?よほど潤沢な資金がある管理組合さんならまだしも、更新しているとこの時点で費用を使ってしまっているからです。 比較的小規模の工事や、メンテナンスをどのように進めていくかによって、長期的な視野で見た修繕計画の方向性が変わってきます。 最終的にマンション内でどういう方向を目指すのか、ビジョンを持った計画・運用が非常に重要です。 給水も排水も、管の寿命を引き延ばすという触れ込みの「更生工事」が存在します。たしかに、更生工事のほうが「更新工事」よりも安くて、管理組合としてもとりまとめや合意形成が楽に見えます。ですが、延命対策はあくまで延命であり、一生ではないことを肝に銘じておく必要があります。

合理化事例

給排水管更新工事の際に増圧直結給水方式を採用したことで、屋上の高架水槽や受水槽が必要なくなり、撤去した事例です。多くの場合、駐車場・駐輪場などの増設をおこない、組合のよい収入源となることもあります。

長期修繕計画書 きほんの「き」

長期修繕計画の作成意義は?

マンションを快適な生活空間として、維持管理するためには長期的な視点に立った取り組みが必要です。
マンションの区分所有者の皆さまのライフスタイルや価値観はさまざま。長期的な取り組みを進めるためにはまとまった資金も必要になりますし、裏付けとなる資料がなければ組合員の意見をまとめることはできません。
そのため管理組合で長期修繕計画を作成し、この計画にもとづいて必要資金を算出します。区分所有者が毎月納める修繕積立金も長期修繕計画をもとに決めることになります。

これから求められる長期修繕計画の在り方

一般的な長期修繕計画は30年、あるいは25年という長い先のことを見据えて作成しますが、その内容はできるだけ竣工当時に近い状態に戻すことを(原状回復)中心にしています。 ですが、「終の棲家」と考える人が多くなっているなか、長期修繕計画は原状回復だけに留まってしまっていいのでしょうか?

これからの長期修繕計画の在り方は、建物の機能・性能・外観等を社会的環境に追従し、「住み良い環境造り」を主目的として、経年により劣化し定期的な修繕の実施が必要とされる共用部分等の部位に対し、修繕に関する項目仕様、時期、周期、および費用の概算金額等を想定した修繕の計画を立て、予算措置としてその修繕を実施するために必要となる修繕積立金等の資金計画を策定することが望ましいと考えます。

マンションは築年数を重ねるほど、工事金額や修繕積立金額だけでなく、どのような工事が必要になるのかを、区分所有者が十分に話し合うことが重要。そこで、長期修繕計画をつくる、あるいは見直すときに、区分所有者がマンションの将来についてどのようなイメージを持っているのかを話し合う機会をもつことが効果的です。
どんなに素晴らしいマンションも、いつまでも現状を維持できるわけではありません。何らかの形で建物と資産の再生を考えることになります。
しかし、多くの人が区分所有するマンションは、大多数の区分所有者の意見が一致しなければ実現できません。一つひとつ手順を踏んで、合意形成を積み上げることがとても大切です。

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