マンション管理・運営コンサルタントの彩の国マンション管理センター(埼玉県さいたま市)

セミナー・相談会レポート

2016/10/22(土)開催セミナーレポート

少しの手間で、大きな安心。一歩先行くマンション運営

少しの手間で、大きな安心。一歩先行くマンション運営
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マンションの価値は、管理組合内のコミュニティや管理から生まれる「ソフト面」、建物・設備改修・修繕などの「ハード面」のふたとおりで決まります。今回はマンション防災と大規模修繕にスポットを当て、よりよいマンション運営について考えていくセミナーとしました。 前日に鳥取県で最大震度6弱を観測した地震があり、あらためて心得や備えについて考える必要があったセミナー当日。防災士の資格を持つKAI設計の菅純一郎先生を講師に迎え、第1部に「今日からはじめるマンション防災」、第2部には大好評の大規模修繕シリーズ第4段として当センター理事の近藤が「大規模修繕工事のチェックポイント」についてお話しました。

今日からはじめるマンション防災

突然ですが・・

世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかっています。しかし、乗客の数に比べて、脱出ボートの数は足りません。したがって、その船の船長は、乗客を海に飛び込ませようとしますが…。
さて、船長が各国の人を飛び込ませるために放った言葉とは何でしょう?

アメリカの人にはこういいました。
「飛び込めばヒーローになれますよ」

ロシアの人には
「海にウォッカのビンが流れていますよ」

イタリアの人には
「海で美女が泳いでいますよ」

ドイツの人には
「規則ですので海に飛び込んでください」

中国の人には
「おいしい食材(魚)が泳いでますよ」

そして、日本人に対しては「みなさんはもう飛び込みましたよ」

この話からもわかるように、よくいわれていますが日本人はどうしてもまわりの人を気にする傾向があります。防災意識に対しても同じで、まわりりと同じなら安心という錯覚を持ちがち。管理組合で膨大な備品を用意し、さらに各戸でも防災袋を用意していれば安心と考えている人が多いのではないでしょうか? もちろん、備蓄はあるにこしたことはありませんが、防災の基本は「自助・共助・公助」であることを忘れてはいけません。

とくに重要なのが「自助」、自分のことは自分で守る。

自助ができて、はじめて「共助」、お互いのことを守り合え、「公助」、行政の対応を待つことができます。自助の対策でできることの1つは家具の転倒防止。例えば食器棚が倒れないように市販の固定グッズを利用しておけば、ガラスの飛散を抑制でき、震災後に室内に留まることは可能になります。
すると電気、水道などライフラインが止まっていたとしても、冷蔵庫に入っていた食料でしのぐことができるはず。 それに加え1人あたり2~3リットル/日の飲料水と、ポータブルトイレ、そして持病の薬、乳幼児のミルクやおむつ、女性の生理用品など個別の必需品を蓄えておけば、ライフラインの復旧と共助、公助を待つことができます。
管理組合にため込んだ膨大な備品はバックアップとして備えることになり半減させても問題はなくなります。まずは、一人ひとりが震災の心得・備えに対する意識を高めること。月並みな結論かもしれませんが、実践している人は、どのくらいいるでしょうか??今日をきっかけに、ぜひはじめてみてください。

大規模修繕工事のチェックポイント

  1. マンション竣工時の長期修繕計画

    1回目の大規模修繕工事については、販売時の一時金の徴収により、それまでの修繕積立金を安く設定しても、借入などを行わず工事ができる計画がされていることが多いようですが、このタイミングで修繕積立金を使い切ってしまう計画の場合、大規模修繕工事が終わってすぐに修繕積立金の値上げが提案されることもあります。次回の大規模修繕工事実施までの修繕工事も適切であるかチェックが必要です。

  2. 建物劣化診断

    調査診断とは、建物や設備の物理的劣化状況を正確に把握し、修繕が必要な所、時期、費用を具体的に検討するためのものです。ただし、建物劣化診断は、「見方」や「見せ方」により、見解が異なることがあります。管理会社が実施した建物劣化診断で「大規模修繕工事の実施を14期を目処に必要とされる」という結果を真に受けず、管理組合でしっかり検討した結果、工事の実施を16期に延ばした例もあります。

  3. 大規模修繕工事諸々選定

    大規模修繕工事を計画するにあたっては、管理組合で選ばなければならないこと、決定しなければならないことが次々に出てきます。「設計監理方式か責任施工方式か」「どの設計事務所にコンサルタントを頼むのか」「どの施工会社がいいのか」‥。工事を計画する最初の段階での失敗は、後々それを修正するにはたいへんな労力を要します。その計画が妥当であるか、管理組合としてチェックが必要です。

  4. 大規模修繕工事実施

    大規模修繕工事は、仮設工事から始まり、下地補修工事、塗装工事、洗浄工事、外壁塗装工事、防水工事、建築雑工事と続きます。その間で、施工会社、工事監理者、管理組合などによる検査を行います。大規模修繕工事のポイントは、やはり下地補修です。それが適切に行われているかどうかは、しっかりとチェックする必要があります。

  5. 次回の大規模修繕工事

    大規模修繕工事を計画するにあたっては、次回の大規模修繕工事や設備関係の工事など、その後のことも合わせて考える必要があります。 単純に見積金額が安かったからでは、結果として誤った選択となることがあります。見積金額だけでは読み取れない情報は何か‥それは難しい判断となります。 今回の大規模修繕工事において、下地補修工事や防水工事が「良い工事」であれば、次回の大規模修繕工事までの期間を一般的な長期修繕計画にある12年ではなく、もう少し延ばせることに繋がります。

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