セミナー・相談会レポート
2017/3/4(土)開催セミナーレポート
先手必勝がマンションの価値を決める
~診断事例からひも解く長寿命化のチェックポイント~
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今年1回目のセミナーは、昨年12月に開催して好評をいただいたマンション運営に欠かせない給排水設備と長期修繕計画の基礎からさらに一歩踏み込み、診断事例を踏まえたポイントをS&Aリニューアル設計の鈴木先生の解説を元に、質疑を交えながら進めていきました。
近年ではスタンダードになりつつある 直結給水方式、従来の貯水槽方式のメリット・デメリットについて
多くのマンションでは、水道から供給された水を受水槽に貯めて増圧ポンプや高架水槽を介して各戸に配水する貯水槽方式が導入されていましたが、最近では受水槽に水を貯めることで起こる水質変化や衛生上の問題が見られることもあり、受水槽を中継せずに給水を行う直結給水方式がスタンダードになってきました。
ただ、全ての面において直結給水方式が貯水槽方式に比べて優れているわけではなく、それぞれに長所と短所があります。
設備調査を行う上でのポイント
一般的に、設備調査を進めるうえでは下記の診断項目に沿って進めていきます。
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一次診断:
問診と調査票の作成、過去修繕歴のチェック
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二次診断:
現地での非破壊調査(内視鏡調査、超音波管圧測定、CCDカメラ調査、土壌分析調査)
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三次診断:
破壊調査(抜管サンプリング)
以上のように、給排水設備の改修には多岐にわたる診断を得て、最適な対策を検討してから工事に着工する必要があり、診断開始から工事完了までおおよそ1年半から2年かかるケースが多く、費用についても大規模修繕工事の2倍程度必要とされているため、早め早めの実施検討と費用の積み立てを行うことが重要となってきます。
給排水設備の改修を進めるうえで目安となる、水道用亜鉛めっき銅管の錆詰まり率と経過年の比率についてもグラフの通り、特に築20年を経過してから急カーブを描く形で錆詰まり率が増加していきます。
給排水設備の腐食、劣化事例
次に、S&Aリニューアル設計の鈴木先生が実際に診断を行った代表的な事例を解説しました。
多く見られるケースとしては「異種金属接触腐食」です。
異種金属接触腐食とは、材質の異なった金属が接触すると、同質の金属の接触箇所より腐食率が高まると同時に腐食速度が早く、集中する特色を持っています。
水道配管の場合、水道メーター(黄銅性)と鋼管、水道蛇口とバルブ(銅と鋼管)と個々に接触している場合が多いため、この部分の腐食箇所は、全体より早い速度で進行します。
量水器周辺の腐食例としては電気温水器のオーバーフローと原因としたホッパーの腐食が挙げられます。
また、流し台下の排水点検口が付いているマンションでは異変があった際に点検口を開けて内視鏡調査を行うことができるメリットがあります。
写真のケースのように、経年劣化と腐食が進行する前に対策を行うことが重要であり、対策が遅れてしまうと雨水やゴミの侵入などによる衛生面の問題が発生してしまいます。
次に、S&Aリニューアル設計の鈴木先生が実際に診断を行った代表的な事例を解説しました。
多く見られるケースとしては「異種金属接触腐食」です。
異種金属接触腐食とは、材質の異なった金属が接触すると、同質の金属の接触箇所より腐食率が高まると同時に腐食速度が早く、集中する特色を持っています。
水道配管の場合、水道メーター(黄銅性)と鋼管、水道蛇口とバルブ(銅と鋼管)と個々に接触している場合が多いため、この部分の腐食箇所は、全体より早い速度で進行します。
量水器周辺の腐食例としては電気温水器のオーバーフローと原因としたホッパーの腐食が挙げられます。
また、流し台下の排水点検口が付いているマンションでは異変があった際に点検口を開けて内視鏡調査を行うことができるメリットがあります。
写真のケースのように、経年劣化と腐食が進行する前に対策を行うことが重要であり、対策が遅れてしまうと雨水やゴミの侵入などによる衛生面の問題が発生してしまいます。
給排水設備は居住者の毎日の生活に欠かすことができない大事なインフラであり、万が一の故障で一時的にでも使えなくなる事は許されません。
先手で対策の検討と費用の積み立てを計画的に行う必要性は前述の通りですが、工事を実施するタイミングも築35~38年の間で第3回目の大規模修繕工事と重なることも多いことを認識しておく必要があります。
マンションの長寿命化のカギを握る給排水設備、皆さまがお住いのマンションでも長期修繕計画の中できちんと組み込まれているかを改めて見直してみてはいかがでしょうか。
適切なマンション管理運営に関するポイント
続く第二部では、当センターのアドバイザーから適切なマンション管理運営に関するポイントを解説しました。
日々の暮らしを豊かに、快適に過ごすためには管理組合が主体的に、意識を高く持ってマンションの管理運営を行うことが欠かせません。
加えて、管理会社に任せきりにせずに、管理会社から提案される運営方針が適切か見極めながら、時には管理組合から改善要求を出しながら対等な関係性を持って進めていく事が求められます。
管理規約の定期的な見直しを
皆さまのマンションでは新築時に作成された管理規約を見直すことなく、そのまま運用が進んでいませんか?
実際に住み始めてから気づく問題点や課題を踏まえて、適宜見直しを図っていく事も大事です。本来は管理会社から提案があってしかるべきですが、日々の生活で問題点を目の当たりにしているマンション居住者の声を集約して管理組合が見直しを働きかけていくようにしましょう。
管理会社に対する「チェック機能」を働かせる
皆さまのマンションでは新築時に作成された管理規約を見直すことなく、そのまま運用が進んでいませんか?
実際に住み始めてから気づく問題点や課題を踏まえて、適宜見直しを図っていく事も大事です。本来は管理会社から提案があってしかるべきですが、日々の生活で問題点を目の当たりにしているマンション居住者の声を集約して管理組合が見直しを働きかけていくようにしましょう。
マンション居住者から毎月集められた管理費によって委託されている現在の管理会社が適切に機能しているかをチェックする機能を働かせることが重要です。
管理会社に対する主な「チェック機能」
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担当者の質(理解度、スピード、担当変更引継ぎ等)
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管理員の質(個人情報保護、日常業務の遂行レベル)
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専門部署対応(会計業務・督促業務・コンプライアンス・監査)
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各種提案(法改正・資産価値向上・事例紹介・専有部対応)
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緊急体制(緊急センター・一次対応・二次対応)
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広報活動(居住者ルール・理事会活動・総会決議事項)
現在の管理会社のサービスレベルが上記チェック基準を満たせない場合には、管理組合から改善要求を出しながら適正化を図りつつ、それでも管理会社の運営方針に対する姿勢、真摯な対応に関する改善が見られない場合は、管理会社の変更も検討してみてはいかがでしょうか。
前述の通り、居住者が自分たちのマンションを守るんだという意識を元に、管理組合が主体性を持ってマンション運営を営んでいく事が求められます。 「マンションは管理を買え」とよく言われますが、そのマンションの良し悪しは管理体制がカギを握るといっても過言ではありません。 皆さまのマンションの資産価値向上を見据えた観点からも、改めて管理組合で議論してみてはいかがでしょうか。
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