セミナー・相談会レポート
2016/5/21(土)開催セミナーレポート
大規模修繕工事は責任施工か設計監理か
~先輩管理組合の事例から学ぶ、大規模修繕の進め方~
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今年度第2弾のセミナーは、去る5/21(土)に開催した「大規模修繕工事は責任施工か設計監理か~先輩管理組合の事例から学ぶ、大規模修繕の進め方~」です。 大規模修繕の発注方式には「責任施工方式」「設計監理方式」があります。でも、結局どちらの方式を選べば、よりよい工事に結びつくのか? 当センターで携わった事例をもとに、参加者のみなさんとあらためて考えてみました。
第1部:責任施工、設計監理それぞれの事例紹介
築48年、25年ぶり2回目の大規模修繕を実施するマンションの「責任施工方式」事例
なんと25年ぶりに2回目の大規模修繕を実施する築48年、11階建て108戸のマンションです。
外壁はくずれそうなほどにひび割れ、鉄部は吹けば飛んでしまうほどに錆び、屋上の防水はその機能をほぼ失い・・。その劣化は想像をはるかに超える状況でした。その上、修繕積立金の残高は数百万の状態。そんな状況ですから、コンサルタント費用のかからない「責任施工方式」を選ぶことになりました。
工事を実施するにあたり「足場を架けるのが難しい建物の形状」「工事費用の融資先」「工事中の検査」がもっとも大きな問題でしたが、
当センターにて工事仕様書作成から資金繰り、工事品質検査までサポートをおこない、2016年6月末に竣工する予定で順調に進行しています。
築13年、1回目の大規模修繕を実施するマンションの「設計監理方式」事例
長期修繕計画に則り、1回目の大規模修繕を実施することになった築13年、4階建て30戸のマンション。
積み上げてきた修繕金を1回目の工事で使い切り、工事後は積立金の値上げを管理会社から提案され、管理会社まかせにはできないと考えた組合が出した結論は「設計監理方式」でした。
当センターにて劣化調査・診断からコンサルタント選定のサポートをおこない、工事は無事2015年11月に竣工。
コンサルタントが介入したことで、工事費用の減額や長期修繕計画の見直し、機械式駐車場の保守点検のコスト見直しなども併せておこない、修繕積立金の値上げを回避できました。
第2部:どちらを選ぶ?「責任施工方式」「設計監理方式」
大規模修繕を実施するにあたり、どちらが正解、ということはありません。 建物の状況や管理組合の事情、管理会社との関係性を加味した上で、管理組合のみなさんで「責任施工方式」「設計監理方式」どちらがいいかを選びぬくためのスキルを磨く必要があります。 ここでは、それぞれの方式が持つメリットとデメリット、さらに選び抜くためのスキルを磨く方法についてお話しました。
第3部:主催者と参加者の意見交換会・質疑応答
参加者のみなさんにお伺いしたところ、過去の大規模修繕工事はすべて「設計監理方式」で実施したとのことでしたが、設計コンサルタントに支払う費用の妥当性やその倫理感についても質問、意見がありました。
どちらの方式であっても、大規模修繕工事を成功させるためには、相手にどのような仕事をしてもらいたいのか、管理組合から明確に伝える必要があります。
相手にどのように伝えるかは、今後のセミナーで解き明かしていきます。
参加者のみなさんの声
参加者のみなさんにはセミナー後、アンケートに答えていただきました。
2つの方式があるのは知っていながらも、それぞれの違いがよくわからなかった。事例を通じて理解することができた
今回のセミナーで、あらためて設計監理方式の利点がわかった。問題は依頼の仕方だったんですね
理想は責任施工方式だけど、そのためには管理組合がどうあるべきかが重要。まだまだハードルは高い
などの意見がありました。
とくに、事例を交えながらの説明は「とてもわかりやすい」と多くの方に好評でした。
次回以降のセミナーでも、当センターの事例をもとに、参加していただいた方々に「あらゆる選択肢のなかからベストを選び抜くためのスキル」を身につけていただくことを目指していきます。
ご参加いただいたみなさん、お忙しいなかに時間を割いていただきありがとうございました。
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